普段通りの開け方でシャッターが開かなくなったとき、正しい対策を知っておくと便利です。
手動シャッターでも電動シャッターでも、シャッターが開かなくなるには何らかの原因があり、原因に合わせた対応が必要となります。
開かなくなった状況別にシャッターの開け方をチェックしてみましょう。
手動でのシャッターの開け方【タイプ別】
まずは、シャッターの手動での開け方の基本を紹介します。
シャッターは全ての種類において、手動で開けることが可能です。
しかし、シャッターごとに開け方が異なり、無理に開けると壊れる恐れもあるため、むやみに開けてはいけません。
正しい開け方やコツを理解しましょう。
窓シャッター
手動の窓シャッターは、下まで降ろすと自動的にロックがかかるようになっています。
まずはシャッターの下部にある解錠用のレバーで、ロックを解除してください。
解錠用レバーは製品によって位置や形状が異なるため、説明書で確認しましょう。
その後は幅木を両手で支えて持ち上げるだけです。
手動でもシャッターケースの中のスプリングシャフトが巻き上げる力によって、軽い力で開けられます。
ちなみに上記の通り施錠は自動で行えるようになっているものが多いため、閉める時はなにもする必要がありません。
なお、手動式の窓シャッターはシャッターの真ん中で開閉を行うことが大切です。
窓の左側もしくは右側を開けて窓シャッターを操作する方が多いですが、この操作方法ではスプリングシャフトの片側のみに負担が集中します。
そのため長年片側のみで操作していると、シャッターが斜めになり、引っかかるようになってしまいます。
手動式の窓シャッターの修理で一番多いのも、上記のケースでのスプリングシャフトの交換です。
店舗用手動シャッター(鍵付き)
店舗用に使う鍵付きの手動シャッターは、鍵を解錠してから開ける必要があります。
特に難しい開け方ではありませんが、施錠したまま無理に開けようとすると鍵にダメージを与えるため注意が必要です。
外側からの開け方
鍵付きの手動シャッターを開ける時には、最初に鍵を開けます。
外側からの場合は、鍵穴に鍵を差して回すことで解錠できます。
鍵穴はシャッタースラットの中間あたりにあり、鍵を回すと内側のロックバーが外れる仕組みです。
解錠後は通常のシャッターと同じように、下から上に持ち上げれば問題ありません。
店舗は閉店時の防犯対策も大切なので、より強固な防犯効果を求める場合には鍵の種類を選びましょう。
ディンプル錠にすると、従来品よりはピッキング対策になります。
内側からの鍵の開け方
シャッターを内側から開ける際にも、まずは鍵の解錠が必要です。
内側からシャッターを開ける時には、鍵穴はないので、ロックを内側から操作して開けます。
ロックバーが確実に開いたことを確認してから、シャッターを持ち上げましょう。
電動シャッター
停電などのトラブルが起こった際には、電動シャッターも手動での開閉が必要になります。
電動シャッターを手動で開ける方法を知らないといざという時に困るので、あらかじめ説明書などをチェックしておくことをおすすめします。
一般的な電動シャッターの手動での開け方は以下の通りです。
①ブレーカーを落とす ②手動切替を行う →レバーを引くタイプ or 解錠用レバーのロックを解除 ③持ち上げて開閉する |
まずブレーカーを落とし、安全に開閉できる状況を作ります。
次にシャッターケースの左右どちらかにある手動切替レバーなどを引き、電動から手動にします。
これで手動で動くようになったため、手動シャッターのように持ち上げて開けましょう。
なお、サイズが大きいシャッターは「重量シャッター」の部類に入り、手動ではなくチェーンでの操作となります。
チェーンでの開閉の場合、少しずつしかシャッターが動かなず時間がかかるため注意しましょう。
シャッターが開かない原因と対処方法
シャッターが開かない時、まずは考えられる原因を探ってみましょう。
手動シャッターや電動シャッターそれぞれに考えられる理由と、両方に共通して考えられる理由を紹介します。
店舗用シャッター(手動)のみに考えられる原因
手動の店舗用シャッターが開かないときは、鍵の状態が関係している可能性があります。
具体的には、施錠したまま・鍵が半開きになっているという状態です。
簡単にチェックできて修理も必要ないので、まずは鍵の状態を確認してみてください。
鍵が半開きの状態になっている
「鍵は回したけどシャッターが開かない」という場合は、鍵が半開きになっていないか見てみてください。
鍵を開閉する時にしっかりと奥まで差しこまないで回すと、鍵が中途半端な状態で半開きになってしまうことがあります。
半開きの状態でもシャッターは開きませんし、無理に力を入れるとシャッターを傷めてしまいます。
この場合、一度鍵を開閉してみるのがおすすめです。
一度鍵をかけてもう一度開けたら、半開きが解消されるかもしれません。
窓用シャッターは鍵が自動でかかりますが、店舗用シャッターは自分で鍵をかけるため、毎回のカギ閉めもきちんと行うことが大切です。
施錠したままになっている
手動の店舗用シャッターが動かない時は、まず鍵がキチンと開いているか見てみましょう。
もしかしたら、ウッカリ鍵をかけっぱなしの状態でシャッターを上げようとしてるかもしれません。
薄暗い中でシャッターを開ける時、特に多いミスです。
鍵が半開き、施錠したままの状態でシャッターを開けようとすると、収納BOXから約1mくらいの所で引っかかり、本体の上げ下げができなくなることが多いです。
引っかかってしまった場合は、シャッターを上げ下げするフック棒でシャッターの裏側から鍵の部分を操作し、解錠すると動くことがあります。
電動シャッターのみに考えられる原因
電動シャッターでのみ考えられるシャッターが開かない原因には、電源やシャッターの収納の不具合があります。
修理が必要ないケースもあるため、まずは自分で確認してみましょう。
電源がOFFになっている・ブレーカーが落ちている
まずは電源とブレーカーを確認してみてください。
電源がOFFになったりブレーカーが落ちたりしているケースが意外にあります。
まずは電源がONになっているか確認します。
ONになっている場合は次にブレーカーを見てみましょう。
ブレーカーは、スイッチにゆるみがあるとオンとオフの間くらいになることがあります。
電動シャッターが動かないと故障したと慌ててしまいますが、意外と簡単に解決できる場合もあります。
慌てずに、基本的な部分を見直すことから始めましょう。
シャッターが収納ボックスに入り込んでいる
電動シャッターが動かない、降りてこない場合、収納ボックスもチェックしてみましょう。
電動シャッターは、本体が収納ボックスに入り込んで、スイッチを操作しても降りてこないことがあります。
自分で直せる場合もありますが、業者でなければ直せない場合もあります。
確認してみて直せそうになければ業者へ依頼するのが賢明です。
手動・電動共通の原因
手動・電動に関わらず、どのシャッターにも共通する原因もあります。
上記の原因に当てはまらない場合にはチェックしてみましょう。
サビや異物が挟まっている
まず、サビや異物が挟まっている可能性があります。
全く開かない、閉まらないという状況だけでなく、動きが悪くなってきた時もチェックしてみましょう。
シャッター表面やガイドレールなどがサビると、滑らかに動かなくなります。
天井にあるケース内やガイドレールにゴミが詰まることも動きにくさの原因です。
ケース内に鳥の巣を作られることもあります。
サビや異物などを目視で確認して、発見できたらサビ取りや掃除で対策しましょう。
サビを落とした後は、防錆塗料などで再発を防ぐことが必要です。
スラットやガイドレールが変形している
シャッタースラットやガイドレールの変形も、開かない原因になります。
シャッター開閉動作に関わる部分が変形していると、動きが悪くなります。
また動きの悪さだけでなく、異音が生じる場合もあります。
シャッタースラットの両端やガイドレールが歪んでいないか確認しましょう。
ゆがみがあった場合には、交換などの修理が必要なこともあります。
シャッターが引っかかる場合の原因や対処法については以下の記事で詳しく解説しています。
シャッターは正しい開け方で開けましょう
シャッターの開け方は難しいものではありませんが、開かなくなった場合は慎重な対応が必要です。
手動シャッターと電動シャッターでは開かない原因も異なることがあるため、原因を見極めて、正しく対策しましょう。
自分で解決できることもありますが、修理が必要なケースは無理せず業者に依頼することも大切です。