新築で住宅を建てる時などにシャッターを検討する人は多いでしょう。
ただ、全ての窓にシャッターをつけようとすれば、それなりの費用も掛かるので悩みどころです。
シャッターは多くのメリットをもち、一度取り付ければ長期間家を守ってくれる頼もしい存在。
今回はシャッターの必要性やメリットと、不要と考えられる理由についてご紹介します。
シャッターをつける5つの必要性とメリット
シャッターには、防火・防音・防犯など様々なメリットがあります。
比較対象として挙がりやすい雨戸と比べても、取り付けるメリットは多いでしょう。
そのため、現在の新築の家ではシャッターを選ぶのが主流です。
多くの人がシャッターを選ぶ理由とメリットを見ていきましょう。
防火対策
シャッターは本来は防火目的のために設置されるため、防火対策として住宅に取り付けるのは有効です。
地域によっては、設置するシャッターは防火仕様でなければならないと、法律定められている場合もあります。
火事の延焼は、熱で窓ガラスが割れ、外の火が入ってくることで起こりやすいため、近所の家屋で火災が発生した際にも、シャッターを下ろすことで延焼を食い止める効果が期待できます。
シャッターを防火対策として設置するなら、防火性能をチェックして選ぶのがおすすめです。
防犯性能に優れている
シャッターは、高い防犯性能を持ち、空き巣などから財産を守る効果も期待できます。
空き巣の侵入手段として、掃き出し窓などのガラス破りが一番多いと言われており、掃き出し窓にシャッターがあると侵入しにくいため狙われにくくなります。
空き巣にとってシャッターがある家は、ガラスを破るだけでなく、シャッターを開ける、壊す手間や時間までかかるため、できるだけ避けたいのです。
また、シャッターを開けたり壊したりする際の音も空き巣が敬遠する理由となります。
空き巣が侵入する前には、下見をして入りやすそうな家を物色するそうです。
シャッターが設置してある窓を見ると、入りにくそうだと思わせることができ、心理的にも空き巣を遠ざける効果が期待できます。
物理的にも心理的にも、空き巣を遠ざけられる防犯性能は、近年シャッターに期待される第一のメリットとなっています。
遮光・防音効果
遮光性や防音性もシャッターを取り付けるメリットの一つ。
街灯や自動車のヘッドライト、まぶしすぎる太陽光など、窓とカーテンだけでは防ぎきれない光を防ぎ、室内を快適な明るさにできます。
また、外の騒音を室内に入れず、静かな環境を維持することも可能です。
シャッターを使うことで、外の環境と室内環境を切りはなすことができ、快適な空間を作りやすくなります。
特に寝室や勉強部屋など、リラックスや集中したい部屋への設置が役立ちます。
賑やかな地域でもシャッターを設置すれば、外の喧騒を気にせずに暮らせるでしょう。
遮熱効果・防寒対策
シャッターには遮熱効果や防寒対策も期待できます。
シャッターがあることで、窓に直接熱や寒さが触れにくくなり、室内を快適な温度に保ちやすくなります。
夏場には、シャッターを閉めておくことで昼間の熱気を遮ることが可能です。
同時に強い日差しも遮ってくれます。
「家に光は取り入れたい」という方は、隙間から必要な日差しや風だけを取り入れる採光性のあるシャッターもあるので、そちらを選ぶといいでしょう。
また窓に直接冷気があたらなくなり、窓ガラスやサッシの冷えが抑えられるため、防寒対策にも有効です。
冬場には、日中の温かな日差しのある時間帯はシャッターを開けておき、日が落ちる頃にシャッターを閉めると快適です。
台風・強風対策
シャッターは、物理的な衝撃から窓を守るのにも役立ちます。
特に台風の時は、強風で飛んでくる飛来物や雨風から窓ガラスを守ってくれます。
台風の風はお店の看板や屋根瓦など、かなり重量があるものも巻き上げます。
窓にこうした飛来物があたれば、ガラスは破れ、室内にも危険が及ぶでしょう。
シャッターはこうしたリスクから窓と室内を守ってくれます。
また、雨や風で巻きあがった砂が窓に直接当たらなくなるため、窓ガラスが汚れにくくなる点もメリットです。
シャッターを台風のためだけに設置することはないかもしれませんが、台風の多く発生するエリアなどでは必要性は高いと言えそうです。
新築時にシャッターを不要と考える理由
新築時にシャッターを設置する必要性を説明しましたが、実際にそれほど有効か疑わしいと考える人もいるでしょう。
シャッターの設置を検討する際には、不要と考える理由も理解して、本当に必要性があるか再考するのも大切です。
設置に費用がかかる
シャッターは、決して安いものではありません。
新築住宅を建てる際にはたくさんの費用がかかりますが、さらにシャッター代まだ加算され、初期費用が増えることになります。
住宅を新築する際には必ず予算がありますが、追加でシャッターの設置を決めたら、予算オーバーしてしまう可能性もあります。
一カ所程度であればそれほど大きな費用にはなりませんが、複数取り付けることで金額がかさむこともあります。
それでなくても、間取りなどを考えるうちに予算オーバーしやすくなる新築住宅で、シャッターまで設置する余裕はないと思う人も多いでしょう。
開閉が面倒でつかわなくなる
手動シャッターを選んだ場合、いちいち窓を開けてシャッターを開閉するのが面倒だと感じ、使わなくなることもあります。
電動シャッターならば窓を閉めた状態で開閉することもできますが、手動よりも費用がかさみます。
シャッターを閉めるのは、夜間や強い日差しを遮りたい時、台風の時などです。
台風のような一大事であれば、防災の一環として進んでシャッターを閉めるかもしれませんが、日常的な開閉は面倒に感じ、段々と使わなくなることもあります。
せっかく設置しても使わなければ無駄になりますし、放置することでサビが発生したりケースに鳥の巣を作られたりすることもあります。
開閉が面倒で使わなくなりそうな人は、シャッターの設置を冷静に見直した方が良いかもしれません。
開閉時の音がうるさい
シャッターによっては、開閉時に大きな音がすることもあります。
特に手動シャッターを設置した場合に、音の問題が発生することが多いようです。
静かな住宅街やご近所との距離が近い場合では、シャッターを設置したものの音がうるさくて開閉できなくなることも考えられます。
また、シャッターを使っているうちに近所から騒音について苦情が来るかもしれません。
そのため、周囲の環境によってはシャッターを止めてほかの方法で防犯対策などを考えるか、音の静かな製品を選ぶことが必要です。
台風や強風による飛来物でシャッターが壊れる可能性がある
台風や強風から窓ガラスを守るのはシャッターの役割ではありますが、一方でそれによってシャッターが壊れる可能性もあります。
台風や強風の飛来物が当たってシャッターが壊れた場合、修理が必要となり、修理費用もかかります。
また、シャッターが壊れて開かなくなった場合には、修理が終わるまではシャッターを閉めた状態が続き、その部屋には日差しが入って来なくなります。
シャッターで窓ガラスが割れるのを防げるという考え方もありますが、シャッター自体が壊れた時のリスクも考えておきたいところです。
>シャッターの台風対策は何をするべき?被害を最小限に抑える方法とは
シャッターが必要かをよく考えて設置を検討しよう
シャッターの必要性は、防火や防犯、外気から室内を守ることにあります。
メリットの多いシャッターではありますが、費用も関係して不要と考える人がいることも事実。
そのため、シャッターを設置する際には、本当に自分の家に必要なのか、お金が無駄にならないかキチンと検討しましょう。
設置した後で使わなくなりそう、メンテナンスの費用をかけられなさそうという場合には、使い勝手が良いシャッターや比較的少ないメンテナンスで使えるシャッターを選ぶか、または取り付けないという選択肢も考えた方がいいかもしれません。