外部の騒音が気になる、自宅から出ている音が近所迷惑になっていないか心配という場合には、防音シャッターがおすすめです。
屋内外の音や声を遮断して、静かな環境を作る効果が期待できます。
今回は、一般的なシャッターの防音効果や防音シャッターの特徴を解説。
シャッターと二重窓のメリット・デメリットについても詳しく比較します。
シャッターには防音効果がある!
シャッターは、物理的に室内と屋外を遮断することで、外からの視線だけでなく音も遮ることが可能です。
シャッターを設置することで、30dbの低減が期待できると言われています。
たとえば、人が聞いてうるさいと感じる騒音レベルは70~80db程度、普通程度の静けさを感じられるのは50db程度です。
シャッターで30db低減できるのであれば、外がうるさい場合でも室内は静かに過ごせることになります。
また、音を遮断するということは、室内で騒いでも声や音が屋外に漏れにくくなるということでもあります。
子どもの声やペットの鳴き声、ちょっとした作業音なども外に漏れにくく、気兼ねなく過ごしやすくなるでしょう。
睡眠環境や学習環境に悩まされている人も、環境の改善が期待できます。
シャッターの種類別防音効果
シャッターは防犯性・採光性・デザインのタイプなどが違うと、防音効果の高さが異なります。
種類ごとの特徴と防音効果、また目的に合ったシャッターの選び方を解説します。
クローズタイプ
クローズドタイプは、最も一般的でよく見かけるタイプのシャッターとなります。
板状のシャッタースラットがシンプルにスキマなく並んでおり、防犯性や防音性が高いシャッターです。
シャッターというと多くの人が想像するのもクローズドタイプで、デザイン性より防犯性重視といったイメージが強くなります。
クローズドタイプのシャッターには、通風や採光のための窓がありません。
また、ブラインドのように開閉することもなく、シャッタースラット一枚一枚がピタリと閉じています。
そのため、閉め切ってしまうと室内が暗くなるため、日中は開けることが多く、昼の防音効果はあまり期待できません。
クローズドタイプの使い方としては、夜間などに閉めて快眠環境を整える、子どものお昼寝の時に外からの騒音や日光を遮るなどがあります。
また、赤ちゃんの夜泣き対策などにも活かせるでしょう。
スリットタイプ
スリットタイプのシャッターは、シャッターにスキマが開いているため、採光性や通風性が高くなります。
スリットが入っていることで人の気配も感じられるため、防犯性も期待できます。
肝心の防音効果も、スリットから音漏れしそうですが、実際には悪くありません。
電動でスリットを開閉できるタイプであれば、採光性と防音性を両立させることも可能です。
ただし、スリットが開閉するタイプは、その動作不良などの故障リスクやメンテナンスの手間などが気になります。
スリットタイプのシャッターは、クローズドタイプよりもデザインや機能にこだわりがあり、夜の防犯や防音だけでなく昼の採光もかなえたい人におすすめです。
ブラインドタイプ
ブラインドタイプは、文字通りブラインドのように細長い羽板を開閉できるシャッターです。
自由にスキマを開けたりピタリと閉め切ったりして、採光や通風、目隠しの具合を調整できます。
ルーバーと呼ばれる羽板は、角度を自由に変えることができるため、日差しは遮りつつも十分な換気が可能です。
天候に応じた調整もしやすくなっています。
防音性についてはスリットタイプ同様に低そうに見えますが、開閉の角度で騒音を調整することが可能です。
ブラインドタイプは、家のデザインにマッチさせつつ、防犯や防音に気をつかいたい人に向いています。
採光や通風もしつつ、程よくプライバシーを守ります。
「防音シャッター」で防音効果がアップ
種類にかかわらず、シャッターには防音効果が期待できます。
しかし、もっとしっかりと騒音対策をしたい場合には、遮音性能の高い防音シャッターを選ぶのがおすすめです。
防音シャッターの選び方をご紹介します。
防音シャッターの選び方
防音シャッターを選ぶ際には、遮音性能の高さを確認し、シャッターでどれくらい防音できるか比較して決めるとよいでしょう。
シャッターの防音性能は、遮ることができる音のエネルギーの大きさや周波数によって、T1~T4まで等級が決まっています。
T1であれば25dbの遮音性が、T2であれば30db、T3は35dbと、数値が大きくなるにつれて遮音性がアップするしくみです。
最も遮音性が高いのはT4の40dbです。
T4であれば、幹線道路の交差点の騒音レベル80dbを半分まで下げられることになります。半分の40dbであれば、日常生活では静かに感じられるレベルです。
周囲の環境に合わせて、必要な等級を検討してみてください。
防音シャッターの相場価格
防音シャッターの価格は、手動シャッターと電動シャッターで異なります。
手動シャッターの設置費用の相場は、比較的安価で6~16万円程度です。
電気を使わないため電気工事の必要がなく、比較的コストダウンできます。
一方電動シャッターは10~35万円と高額です。
また、窓に設置する場合、高所作業や窓枠の状態によってシャッターの設置以外の作業が発生することがあります。
価格は業者によって異なるため、防音シャッターの設置費用を詳しく知りたい場合には 複数の業者に見積もりを依頼することが必要です。
手動と電動では費用だけでなく使いやすさも違うので、総合的に費用対効果を見て決定することも大切になります。
>シャッターの価格はいくら?設置費用を抑えるコツも紹介します
シャッターと二重窓、防音対策にはどちらがおすすめ?
騒音対策としては、防音シャッターの他に二重窓という選択肢もあります。
二重窓は内窓を設置する方法で、シャッターと同様防音や断熱を目的に選ぶことが多い方法です。
シャッターと二重窓ではどちらが防音におすすめなのでしょうか。
窓シャッターと二重窓の違い
窓シャッターと二重窓の違いは、設置する場所と素材、それによる景観や室内環境の変化などです。
二重窓には窓シャッターにはない魅力もありますが、デメリットもあります。
窓シャッターと二重窓の違いの一つは、設置場所です。
窓シャッターは窓の外に設置しますが、二重窓は既存の窓の内側にもう一つの窓ガラスを設置します。
また、窓シャッターは金属や木製などの透け感のない素材を使うため、閉めると完全な目隠しになりますが、二重窓の方はガラス窓が一枚増えるだけなので目隠し効果はありません。
さらに、シャッターの種類によっては窓を開けてスリットやルーバーを開くことで目隠しと通風を両立することができます。一方、二重窓にはそうした働きは期待できません。
ただし、二重窓はシャッターのようにわざわざ窓からの光を遮ることなく騒音だけをシャットアウトできるメリットがあります。
防音効果比較
窓シャッターと二重窓では、どちらも防音効果が期待できます。
窓シャッターの防音性能はT1~T4までレベルが分かれており、最大で40dbまでの遮音が期待できます。
一方、二重窓の場合は、一枚窓と比較すると追加された窓単体で15db程度の遮音効果があると言われています。
その他のメリット・デメリット
窓シャッターと二重窓は、なかなか防音性能だけで比較できるものではありません。
それぞれのメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
窓シャッター
窓シャッターのメリットは、目隠し効果が高く、防犯性も高い点です。
ピタリと閉めてしまえば、外部からの視線を完全に遮り、プライバシーを守れます。
加えて、空き巣はシャッターを開ける音や手間、室内の状況が分からないリスクを避けるため、シャッターがあるというだけで空き巣被害に遭う確率が大きく下がります。
デメリットとしては、閉めた時の暗さや開閉の手間などがあります。
採光できるシャッターもありますが、羽板の調整など操作が必要です。
また、手動シャッターの場合には特に、開閉動作が面倒に感じる傾向があります。
開閉の手間を嫌がり、徐々にシャッターを使わなくなることもあります。
二重窓
二重窓のメリットは、明るさはそのままに窓を強化し、防犯性や断熱効果を高められる点です。
窓を二重にすることで、ガラスを割っての侵入が難しくなります。
加えて、シャッターのように閉めても暗くなりませんし、既存の窓と内窓のスキマに空気の層ができることで、外気温を室内に入れず、室内の気温を外に逃がしにくくなります。
ただし、二重窓は、シャッターのような強度はありません。
台風での飛来物によってガラスが割れるリスクはシャッターよりは高めです。
また、二重窓だけでは目隠し効果はないため、外からの視線を遮るためにはカーテンなどの別の目隠しが必要となります。
シャッターを使った防音・騒音対策はプロに相談を
シャッターには防音効果があり、外からの音を遮る騒音対策に役立ちます。
シャッターを防音のために導入する際には、防音性能のレベルをチェックしつつ、採光性や防犯性なども合わせて確認しておきましょう。
二重窓も防音効果が期待できますが、シャッターとは単純比較できないため、環境や求める効果に照らし合わせて選ぶことが大切です。