シャッターは形状、用途、開閉方式などによって、様々な種類に分けられています。
それぞれの違いを知ると、選びやすくなるでしょう。
ここでは、シャッターの種類ごとの特徴や選び方のポイントを解説します。
シャッターの種類と特徴について
シャッターの種類は、「軽量」「重量」といった重さ(スラットの厚さ)、「窓」「ガレージ」など設置する場所によって分類されます。
シャッターの種類とそれぞれの特徴をチェックしてみましょう。
種類 | 特徴 |
軽量シャッター | 個人宅の車庫・店舗など 目的:防犯 |
重量シャッター | ビルや工場に設置。スラットの厚さ1.6ミリ以上 目的:防犯・防火・防煙 |
窓シャッター | 窓に設置 目的:防犯・断熱・プライバシー保護 |
ガレージシャッター | 車庫に設置。軽量シャッターか軽量電動シャッターが多い 目的:防犯・雨風対策 |
工場用シャッター | 重量シャッター 目的:工場の管理・防火・防煙 |
軽量シャッター
軽量シャッターは、文字通り軽量で、両手での上げ下ろしもできるシャッターです。
手動式の「軽量シャッター」と電動式の「軽量電動シャッター」に大別されます。
主に個人の住宅や車庫、店舗など、小さめの間口で使われています。
軽量シャッターはシャッタースラットが薄く、防火用としての機能はありません。
重量シャッター
重量シャッターは、軽量シャッターに対してスラットが厚く重い種類のシャッターです。
シャッタースラットの厚みが1.6ミリ以上あるものを重量シャッターと呼びます。
この厚みによって防犯はもちろんのこと、防火、防煙、防水の役割も果たします。
また、重量シャッターにはスラットが板状ではなくパイプでできたパイプシャッター(グリルシャッター)もあります。
こちらは手動式・電動式のどちらもあります。
防犯対策をしながらディスプレイ効果も期待できるシャッターです。
防火シャッター
防火シャッターは、火災を食い止めることを目的としたシャッターです。
外壁開口部の防火シャッターは、外部からの延焼を防止する目的を持っています。
また、建物内部で起こった火災を一区画に閉じ込めるために、建物内部に設置することもあります。
防火シャッターは建築基準法で定められたエリアに設置する義務があり、不特定多数が出入りする場所では定期点検も行わなければなりません。
防犯シャッター
防犯シャッターは、防犯対策を目的としたシャッターです。
住宅や店舗、倉庫など、いろいろな場所で利用されています。
心理的効果もあり軽量シャッターでも防犯効果は期待できますが、重量シャッターは破壊もにしくくより高い効果が期待できます。
防水シャッター
防水シャッターは、集中豪雨や台風などの水の被害を予防するシャッターです。
「止水パネルシャッター」「ウォーターガードシャッター」とも呼ばれています。
浸水を防ぎ、水害から建物内部を守ります。
ものによっては高さ3メートルという高水位まで耐えるシャッターもあります。
防水シャッターは他のシャッターよりも高価です。
主に大規模な建物や地下鉄出入口などで使われています。
窓シャッター
窓シャッターは、雨戸の代わりなどに設置される窓用のシャッターです。
窓は光や風を取り込むために必要なものですが、状況によっては光や風、人の視線や飛来物など、余計なものが入るリスクにもなります。
窓シャッターはこうした外部からのリスクを遮断して、快適な室内空間を守るのが役割です。
また、窓シャッターによって窓ガラス自体も守られ、破損や汚れの心配も減ります。
ガレージシャッター
ガレージシャッターは、車庫に設置するシャッターです。
駐車場に後付けで設置されることもよくあります。
風雨や犯罪からマイカーを守ってくれる上、家の外観も良くなります。
ガレージシャッターで多いのは、自動車に乗ったまま開け閉めできる電動タイプです。
また、巻き上げタイプの他に、開閉時の音が静かなオーバースライダー方式というタイプもあります。
ガレージシャッターは頻繁に開け閉めする上、家の外観への影響も大きいため、使い勝手や音、防犯性、機能性、見た目など、様々な点を考慮して選ぶことが大切です。
>ガレージシャッターを検討中のあなたへ!種類や価格相場をご紹介
工場用シャッター
工場用シャッターは、工場の規模や業種などによって種類がさまざまです。
大きい貨物や重機が出入りする広い間口用のシャッターや、爆発事故に対応する衝撃に強い「防爆シャッター」などもあります。
また、外部からほこりを侵入させない気密タイプや、静電気による爆発を防ぐタイプもあります。
間口が広い開口部に対応するシャッターはワイドシャッターといい、手動のシャッターでも10メートルを超える幅もある種類です。
また、気密性や安全性の高さが必要な場合には、気密シャッターが使われます。
気密シャッターにはビニールタイプもあり、防炎や静電、防虫効果などのオプションも豊富です。
可燃性ガスによる爆発のリスクが高い工場では、静電気対策に優れた防爆構造のシャッター、爆発時に耐える耐圧性の高いものが利用されます。
目的にぴったり合うシャッターを見つけてほしいカニ~!
シャッターを選ぶ時のポイント
シャッター選びでは、シャッターの種類だけでなく操作方法や開閉方式も要チェックです。
快適な利用のために用途に合ったシャッターを選びましょう。
シャッター選びに大切なポイントを紹介します。
操作方法で選ぶ
シャッターは、手動と電動の2種類の操作方法があります。
利便性やコストが異なり、どちらにもメリットとデメリットがあります。
両者の違いを見ていきましょう。
手動で動く
手動で動くシャッターは、自力で開閉する手間がかかりますが、価格は電動よりも安く導入しやすい点がメリットです。
また、作りが電動よりもシンプルなため、故障のリスクも低くなります。
ただし、シャッターの開閉をする人の力が弱い場合には負担が大きく、悪天候の中での開閉にも不便です。
また、縦に開閉するシャッターでは、シャッターケースの高さや利用者の身長が合わず、開閉が大変な場合もあります。
電動で動く
電動で動くシャッターは、リモコン操作で誰でも動かしやすく、力も手間も必要がありません。
離れた場所から開閉操作ができるため、天候に関係なく快適に利用できます。
また、手動よりも音が静かなほか、障害物を感知して動作を停止する機能や自動ロック機能など、安全性に関する付加機能が付いている製品も多くあります。
ただし、電動シャッターは価格が高く、電動部分の故障リスクも高くなります。
また、停電時には手動での開閉が必要です。
慣れない手動開閉で、緊急時に素早く対応できない可能性があります。
開閉方式で選ぶ
開閉方式の違いも、利便性に大きく影響するポイントです。
開閉方式は大きく分けると上下式と横引き方式になります。
一般的に多くみられるのは上下式ですが、横引きシャッターには上下式にないメリットもあります。
上下式シャッター
・巻き上げ方式
巻き上げ方式のシャッターは、上下式シャッターとしてメジャーなもので、コストも安価です。
上部に設置されたシャッターケース内にシャッタースラットが巻き取られて収納されます。
手動でも軽く開けられる構造になっていますが、開閉音は大きめです。
・オーバースライダー方式
シャッタースラットが巻かれずに天井に収納されるタイプです。
そのため、設置するには天井部分に高さが必要となります。
価格は巻き上げ式よりも高くなりますが、開閉スピードが速く、音も静かです。
横引きシャッター
横引きシャッターは、シャッターケースが開口部の横の壁にあり、引き戸やカーテンのように横へスライドさせるタイプです。
店舗やガレージシャッターなど、幅広い使い方ができます。
横引きシャッターは手動でも開閉がしやすく、開口部の形状に対して柔軟に対応できます。
一枚当たりの単価は高めですが、柱でシャッターをつなぐ必要がなく枚数自体を抑えられるので、コストパフォーマンスは高くなります。
材質で選ぶ
シャッターを選ぶポイントとしては、材質も押さえておきたいところです。
材質の違いは、耐用年数や手入れの必要性、見た目のデザインなど、いろいろな面に影響を及ぼします。
ステンレス製
ステンレス製は、さびや腐食に強く、高級感があるシャッターです。
防火効果も期待でき、最も優れていると言っても過言ではありません。
しかし、ステンレス製は価格が高く、一般的なスチール製の倍程度かかることがあります。
鉄製・スチール製
鉄製、スチール製は、シャッターの中では価格が安く、一般的に出回っているシャッターの素材です。
さびやすいと言われてきましたが、現在では塗料の進化もありすぐにはさびなくなっています。ただし、見た目の高級感ではステンレス製に劣ります。
アルミ製
アルミ製のシャッターは、さびや腐食に強く、価格はステンレス製とスチール製の中間となります。
開閉音も静かで、他の金属製シャッターの良い所取りといった印象です。
比較的安価に、綺麗で長持ちするシャッターがほしいといった場合に良いでしょう。
木製
木製のシャッターは、ステンレス製とは違った高級感があります。
いわゆるシャッターらしさがなく、ナチュラルな風合いでデザイン性に富んだシャッターです。
ただし、木製シャッターは素材が木材のため、傷みやすくメンテナンスが欠かせません。
木材が傷むと最悪の場合には交換が必要となります。
形状で選ぶ
シャッターは、形状によっても見た目や利便性が変わります。
主なシャッターの形状を種類ごとにチェックしてみましょう。
一般的なシャッターの形状
一般的なシャッターの形状としては、以下のようなものがあります。
ガレージシャッターや倉庫、店舗などのシャッターに使われる形状です。
種類 | 特徴 | おすすめ |
スラットシャッター | 幅60mm前後の板(スラット)が並んでいる一般的なシャッター | 安価で種類が豊富・目隠し効果が高い |
グリルシャッター | パイプが並んだ開放的なシャッター | 光や風が入る・展示物など内部を見せられる |
上部開放シャッター | 上部のみがパイプ状のシャッター | 光や風を入れつつ適度に目隠しできる |
窓シャッターの形状
窓シャッターには、以下のタイプがあります。
ガレージや店舗入口のシャッターとは異なり、窓だからこその種類もあるのが特徴です。
種類 | 特徴 | おすすめ |
クローズタイプ | 一般的なシャッターで完全に窓を隠すタイプ | 光や外気を絶ち、ガラスを保護できる |
スリットタイプ | スリット(すき間)を開け閉めできるシャッター | すだれのように光や風を入れられる |
ブラインドタイプ | ブラインドのように羽の角度を変えられるシャッター | 外気や光の量を羽の角度で調整できる |
目的に合わせて最適なシャッターを選ぼう
シャッターの種類は、軽量や重量といったシャッタースラットの重さ(厚み)の違いや用途の違いなど、さまざまな観点から分けられています。
店舗用や倉庫用、窓用、ガレージシャッターなど、用途と目的に合わせて検討すると選びやすいでしょう。
また、素材や操作方法の種類によっては費用も大きく異なります。
予算が決まっている場合には、コスト面からも検討することが大切です。
シャッターを設置する際には、無理なく設置でき、快適に使える目的に合った最適なシャッターを選びましょう。